vol.5 秋の昆虫映画採集

「昆虫映画採集」にご来場ありがとうございました。


次回は………2006年3月!!
3月14日に100歳のお誕生日をお迎えになる
科学映画の最長老・樋口源一郎監督の特集を
予定しております。
『女王蜂の神秘』(1962)『きのこの世界』(2001)など
60年にわたる映画作家活動を振り返り、
壮大な作品世界を再発見していく試みです。
詳細は近日発表予定です。ご期待ください。


科学映画特捜隊 vol.5 秋の昆虫映画採集

ロマン!スペクタクル!!そしてファンタジー!!!
ミクロな視点で描いたマクロな物語!
古今の昆虫映画の傑作6本を特集上映!


2005年11月6日(日)
16:00〜18:10 映画の時間
おとなもこどもも鑑賞無料!


16:00〜17:00 上映(前半)

『蚊』

−日本百科映画大系− 1954年/12分/16mm/白黒
制作:岩波映画製作所 プロデューサー:吉野馨治
演出・撮影:吉田六郎 脚本:小口八郎

【厄介な隣人を密着取材!観る方もカユい労作】

蚊や蝿の駆除が国民的課題だった頃、その対策にとどまらず、
昆虫としての生物学的な理解を深めていく作品。中谷宇吉郎
博士のもとに集まった岩波映画創立スタッフが「撮影のため
なら」と血を吸われるカユい労作。

吉田六郎【よしだ・ろくろう】
1919年秋田県平鹿郡十文字町生まれ。1943年日本映画社に入社、中谷宇吉郎北海道大学低温研究所に派遣され、霜の結晶を見事に映像化した『霜の花』(1948)などの特殊撮影技術で注目される。1949年中谷研究室(後の岩波映画)創立に参加し『蚊』(1954)『かえるの発生』(1955)など科学映画の傑作を発表。1959年フリーとなり『新昆虫記 蜂の生活』(1960)『海の生物誌』(1967)『あさがお』(1992)などを監督。1995年死去。

『モンシロチョウ』

1958年/17分/16mm/白黒 制作:学習研究社
監修:古川晴男(東京学芸大教授)
製作:古岡勝 企画:原正次 演出・構成:石川茂樹
撮影:清水ひろし 音楽:小沢幸四郎 解説:高橋和枝

大田区にモンシロチョウ団地出現?!】

子供たちにモンシロチョウの生態と正しい飼育観察法を紹介
する教材映画。「昆虫博士」の異名を持つ石川監督と学研
スタッフの様々な工夫に注目。圧巻は羽化を観察するために
サナギを並べた「モンシロチョウ団地」!

石川茂樹【いしかわ・しげき】
1955年6月に設立された学習研究社(学研)映画部の製作課長を務める。「昆虫博士」の異名をとるほどの知識を持ち、畑正憲ら学研映画の若手スタッフを育成した。1960年代から80年代まではプロデューサーとして膨大な作品に参加。
主な作品:こん虫の冬ごし(1957)メダカの観察(1957)モンシロチョウ(1958)カブト虫の研究(1958)あさりの観察(1959)かえるの世界(1959)ざりがにの生態(1960)特別天然記念物 尾瀬(1962)日本の国立公園 北海道の自然(1964)

『かいこ』

−自然観察映画大系(3)− 1964年/20分/16mm/カラー※
制作:科学映画研究所 指導:農林省蚕糸試験場
製作:吉田六郎 演出・脚本・撮影:土屋祥吾
撮影:砂川徹・吉田嗣郎 音楽:三木稔 解説:大沢嘉子
※上映プリントが褪色しております。予めご了承ください。

【我らがお蚕様、モスラの一生】

生糸のために人類が遥か昔から飼ってきた「かいこ」の生態
を徹底観察。マユから羽化するとすぐに交尾・産卵して一生
を終える「羽があっても飛べない蛾」の、数奇にして神秘的
な美しさに思わず引き込まれます。

土屋祥吾【つちや・しょうご】
カメラマン・監督・プロデューサー。東映教育映画部、科学映画製作所を経て1968年に東京文映を創立。
主な作品:ウキクサの観察(1961)ジカバチモドキの観察(1962)バラとこん虫(1963)かいこ(1964)植物の成長と運動(1965)ネズミ(1966)新昆虫記 蚊の生活(1966)新昆虫記 谷川にすむ虫(1967)離れ島のくらし(1970)ニューマットの秘密-金鳥電気蚊とり器-(1973)髪のいたみと手入れ-ヘアケアの科学-(1977)スキンケアの科学(1978)花と受粉(1979)冬をこすいきもの-さがしてみよう、みてみよう-(1983)魚のそだちかた-サケ-(1984)春の花と虫たち(1985)食べ物の消化(1987)心臓の運動と血液の流れ(1990)体のつくりと働き-食べる-(1991)土佐日記(1992)


(10分間休憩)


17:10〜18:10 上映(後半)

『草間の宇宙』

1999年/17分/DVD/カラー 制作:栗林自然科学写真研究所
製作・演出・撮影:栗林慧 音楽:富樫春生
出演:トノサマバッタオオカマキリ・クロオオアリ・
ナナホシテントウヤマトシジミ ほか

【「虫の目レンズ」で迷い込む、等身大のバグズ・ライフ

草間に住む昆虫たちの生活を、自作した直径8mmの「虫
の目レンズ」でとらえた、目からウロコの新型昆虫映画。
まるで自分が昆虫になった気がする不思議なアングルは、
スクリーンで見るとさらに迫力満点です!!

栗林慧【くりばやし・さとし】
1939年中国・瀋陽生まれ。陸上自衛隊、保険会社に勤務しながら写真を学び、1969年よりフリーの生物生態写真家として活動を始める。1979年、Nikon Salon写真展『源氏螢』で伊奈信男賞を受賞。2000年、『草間の宇宙』で第41回科学技術映像祭内閣総理大臣賞受賞。
著書・写真集:The MOMENT 自然の瞬間(日経サイエンス社/1991)栗林慧全仕事(学習研究社/2001)アリになったカメラマン(講談社/2002)ほたる-源氏螢全記録-(講談社/2003)ほか
ビデオ作品:草間の宇宙(1999)密林に幻の巨大クワガタを追う〜マレーシア 巨大昆虫の世界/栗林慧(2005)ほか

『ムシムシ海へ行く』

1974年/15分/16mm /カラー 制作:学習研究社
製作:原正次 企画:石川茂樹・森田義一
プロデューサー:神保まつえ 演出・構成:阿部行雄
構成助手:石川隆男 音楽:原正美 効果:石田誠
声の出演:テアトル・エコー
出演:クワガタ・カミキリムシ・キアゲハ・カラスアゲハ・
カブトムシ・カナブンほか

【賛否激突?昆虫版『子猫物語』!!】

まだ見ぬ大海を目指し丸太の舟に乗り込んだ6匹の虫たち。
カニやカエルと出会ったり、カマキリに襲われたりの大冒
険……生きた(?)虫たちを起用した劇構成は賛否分かれる
ところですが、頭のネジを何本か外してご覧ください!

阿部行雄【あべ・ゆきお】
学研映画局で記録映画、教育映画、人形アニメーション映画などの撮影を多数担当。
主な演出作品:ムシムシ海へ行く(1974)カマキリのおじぞうさま(1975)ねぼすけカエル(1975)

『自然界のつりあい−動物の数は何で決まるか−』

1972年/24分/16mm/カラー 制作:東映教育映画部
企画・構成:布村建 脚本・撮影:川崎龍彦
監修:伊藤嘉昭(農林省農業技術研究所)・
東京農工大学 アメリカシロヒトリ研究グループ

【壮絶!昆虫社会の生き残りスペクタクル】

アメリカシロヒトリの卵10,116個の何%が成虫になれるか
を克明に記録。孵化した幼虫たちに降りかかる数々の危機!
鳥に喰われ、ハエに寄生され、カビにたかられ…自然界の
巧妙なメカニズムを生き残るのは果たして何匹か?

布村建【ぬのむら・けん】
1936年東京市世田谷區生まれ。1959年東映に入社、教育映画部で脚本・プロデューサー・演出として多数の作品を発表。『自然界のつりあい-動物の数は何できまるか-』(1972)『火山の探求』(1980/小林一夫監督)などの科学映画から『花のき村と盗人たち』(1975/矢吹公郎監督)などのアニメーション映画、『春風の子どもたち』(1982/山下秀雄監督)『春らんまん結婚記』(1987/内藤誠監督)などの劇映画、さらには大和屋竺監督の『発見への旅だち』(1974)、原将人監督の『アンサンブルのよろこび』(1981)など異色のスタッフよる作品も数多く手掛けている。現在もフリーの企画・演出として活動中。


18:20〜20:20 トークの時間 in neo BAR
「秘伝!昆虫映画のつくりかた」
ゲスト:布村 建 氏(『自然界のつりあい』企画・構成)
参加費:ドリンク&おつまみ付 おとな2,000円/こども1,000円


会場:neoneo坐(スペースneo/30席)
千代田区神田小川町2-10-13御茶ノ水ビル1F
都営新宿線 小川町駅(千代田線 新御茶ノ水駅・丸の内線 淡路町駅
B5出口より徒歩1分
JR 御茶ノ水駅 聖橋口より徒歩5分


上映お問合せ:シミズ
TEL:080-5468-3251 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp
neoneo坐ウェブサイト:
http://www.neoneoza.com/


上映協力:
栗林自然科学写真研究所 http://www5.ocn.ne.jp/~kuriken/
東京都立日比谷図書館 http://www.library.metro.tokyo.jp/13/

栗林慧全仕事―独創的カメラでとらえた驚異の自然

栗林慧全仕事―独創的カメラでとらえた驚異の自然

アリになったカメラマン 昆虫写真家・栗林慧

アリになったカメラマン 昆虫写真家・栗林慧